連載「尺八が描かれた浮世絵」(邦楽ジャーナル)

 2023年に続いて2025年も「邦楽ジャーナル」で記事を連載させていただけることとなりました。今回も皆様に楽しんでいただけるよう、読みやすく丁寧な文章を心掛けて執筆しようと思っています。

【内容】
 幕末・明治以降、日本美術や浮世絵等は国外に大量に流出しましたが、その中には「尺八が描かれた浮世絵」も多く含まれています。尺八が世界中に認知されるようになる100年以上も前から、浮世絵は世界の美術界に衝撃を与え、世界中の美術館に収蔵され、人々の目を楽しませてきました。そこで、 日本と世界を「尺八が描かれた浮世絵」で結び、その豊かな関係をお伝えすることで、日本音楽と日本美術の新しい繋がりと新たな可能を提示できればと考えています。
 連載では、毎回1つの「尺八が描かれた浮世絵」を取り上げ、その内容・浮世絵師・収蔵美術館をご紹介していきます。監修は、浮世絵の専門家である藤澤茜先生(神奈川大学准教授)にお願いしました。

①白井権八

イギリス・ロンドンの「大英博物館」に収蔵されている、「歌川国芳」画の白井権八。カッコイイ若衆として描かれ、そのしぐさや、着物の美しさが、画面を華やかにしています。
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②助六

アメリカ・ニューヨークの「メトロポリタン美術館」に収蔵されている、「鳥居清長」画の助六。助六が桜をバックに蛇の目傘を広げ、ポーズを決めます。清長の、実にすがすがしく柔らかな浮世絵を取り上げました。
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③五人男

オランダ・アムステルダムの「 ゴッホ美術館に収蔵されている、「歌川国貞」画の五人男の内2枚。The Shakuhahci 5 所蔵の5枚そろいの作品と見比べることによってその面白さがより深まります。
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④器楽合奏

ハワイ・ホノルルの「 ホノルル美術館に収蔵されている「石川豊信」の作品。娘たちが箏、三味線、胡弓、尺八を合奏している様子が描かれています。華やかで、和やかな一場面です。紅摺絵の素朴な風合いと配色の妙にもご注目ください。
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⑤仙石騒動

東京「国立劇場」の収蔵作品で、「豊原国周」による「仙石騒動」を描いたもの。三枚続きのワイドな画面による、迫力のある一場面をお楽しみください。
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⑥奴の小まん

チェコ共和国・プラハの「 プラハ国立美術館」に収蔵されている「春梅斎北英」の作品。関西の浮世絵である「上方絵」で、女伊達・小まんの情念が描き込まれています。
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